イスラエル、ガザ地上作戦開始
2025年5月18日、イスラエル軍は最終警告ののちに、パレスチナ自治区ガザ地区の北部と南部の両方から大規模な地上作戦を開始しました。
「ギデオンの戦車作戦」と名付けられたこの作戦は、ハマスの軍事インフラやトンネル網の破壊を目的としており、イスラエル国防軍(IDF)は正規軍と予備役部隊を動員し、ガザ地区全域での攻撃を展開しています。
この地上作戦や空爆に関して、ガザ保健省によれば5月18日だけで少なくとも103人が死亡し、その中には多くの女性や子どもも含まれているとされいます。
また、北部の主要な病院であるインドネシア病院が攻撃を受け、医療機能が停止するなど、人道的危機も深刻化しています。
軍事作戦下の食料支援を発表
一方、イスラエル政府はガザ地区への人道的配慮として、3月から停止していた食料支援なやついて、「飢餓危機が発生しない」よう確保するため、「基本的な量の食糧」のガザ地区への流入を許可すると発表しました。
これは、国際社会からの圧力や、ガザ地区での飢餓危機を避けるための措置とされています。
一方、カタールで行われているイスラエルとハマス間の停戦交渉に進展は見られず、イスラエルのネタニヤフ首相はハマスの武装解除や人質の解放を停戦の条件としており、ハマス側は全面的な戦闘停止を求めています。
この新たな地上作戦は、2023年10月に始まったイスラエルとハマスの衝突以来、最大規模の軍事行動となっており、今後の中東情勢に大きな影響を与える可能性があります。
中東情勢に対するペソ円相場
中東情勢の緊迫化は、世界の金融市場に波及効果をもたらしています。
特に、安全資産とされる円への需要は高まり、その対となるメキシコペソ円(MXN/JPY)相場にも影響が出始めています。
今回の地上作戦報道の直後となる週明け2025/05/19(月)早朝では7.496〜7.452の円高となっており、比較的小さい反応ではありました。
しかし、地政学的リスクの高まりに対するリスク回避としての円高圧力がかかる可能性があり、メキシコペソ円相場の急落には十分注意が必要です。
参考
イスラエル、ガザへの人道支援物資搬入を2カ月以上ぶりに再開 トランプ政権からの圧力に屈したか(FNNプライムオンライン)
イスラエル軍 ガザ地区での大規模地上作戦開始と発表(NHK web)
イスラエル、ガザへの食料搬入を許可 2か月ぶりに(AFPBB news)