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メキシコのインフレ対策「PACIC」とは?物価上昇を抑える政府と企業の取り組みを解説

メキシコでは、2021年から始まった急激なインフレによる生活必需品の価格上昇を抑えるため、「PACIC(インフレ対策・食料不足対策プログラム)」という政府主導の政策が実施されています。

本記事ではそのPACICの概要や目的、実施内容について紹介します。

PACICの概要

PACIC(Paquete Contra la Inflación y la Carestía)は、2022年5月4日にアンドレス・マヌエル・ロペス・オブラドール大統領によって発表されたプログラムで、主に物価上昇の抑制と食料不足への対策を目的としています。

特に食品を中心とした主要24品目の価格安定化に重点が置かれています。

具体的な実施内容としては、国内の食糧生産・生活必需品の輸送促進・穀物などの基礎製品に対する輸入関税を免除・ガソリンや燃料価格の安定化などの施策が行われており、これらにより生活必需品の価格安定をもたらしています。

実施の背景と今後の展望

2021年4月以降、メキシコのインフレ率は高騰し、2021年11月から5か月連続で7%を超える水準を記録しました(中央銀行の目標範囲は+2%〜4%)。これにより国民生活への影響が懸念され、PACICが導入されるに至りました。

PACICは、政府と民間企業の自主的な合意に基づいており、強制的な価格統制ではないことが特徴です。協力関係を通じて、基本食品の公正な価格を維持し、国民の生活を支える狙いがあります。

しかし、このプログラムにより、2025年3月の段階では、インフレ率が約2%抑えられたとされており、家計消費の落ち込みを防ぐ成果をあげています。今後も物価安定化と食料安全保障の観点から、PACICの継続的な運用が期待されています。

このプログラムは現在も継続して実施されています。 2025年5月時点で、クラウディア・シェインバウム大統領の政権下において、PACICは再度更新され、基本的な24品目の価格を910メキシコペソ(約44.23米ドル)に据え置く取り組みが続けられています 。

メキシコ:メキシコ政府の食料価格高騰と食料不足対策プログラム

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