メキシコ関連

【2025年5月】アメリカ-メキシコ間の関税遷移の時系列まとめ

2025年、アメリカとメキシコの貿易関係は新たな局面に入りました。特に投資家にとって注目すべきは、米国政府によるメキシコ製品への関税措置の再強化と拡大です。

関税はもはや単なる経済政策ではなく、移民問題・薬物取締・製造回帰(リショアリング)・選挙戦略といった政治アジェンダのツールとなっており、市場や企業業績に直接的な影響を与えています。

本記事では、2024年後半から2025年5月までに起きたすべての関税発言・延期・発動を時系列で整理しています。

現在のメキシコの関税状況

・自動車完成品に関してはUSMCAの原産地規定に当てはまらない部分のみの課税となるので、他国と比較すると優位な状態

・USMCAの原産地規定に当てはまる自動車部品に関しては現在は追加関税の適用を保留されているため、他国と比較すると優位な状況。

・原産地規定が厳格化されているため、メキシコからの米国輸出品の中でも約半数の製品はUSMCA適用ができていない。

・トランプ大統領はUSMCAについて、交渉の余地を残しつつも「もはや不要」とのコメントを残している。

輸出関税(メキシコ→米)

2024年11月

メキシコの関税引き上げ示唆

2024年11月25日(トランプ大統領就任前)
トランプ氏が就任初日に対中関税を10%、対メキシコ・カナダ関税を25%引き上げると発表。
メキシコとカナダとの国境からの薬物流入に対して対策が取られていないことを指摘

2025年1月

メキシコの関税引き上げ示唆

2025年1月20日
トランプ氏「2月からメキシコとカナダからの輸入品に25%の追加関税を検討」

2024年2月

メキシコの関税引き上げ承認

2025年2月1日
トランプ氏が2月4日からの関税発動に伴う大統領令に署名。

メキシコの関税引き上げ延期

2025年2月3日
トランプ氏がカナダ・メキシコからの輸入品に対する関税適用を1カ月延期すると発表

鉄鋼、アルミの関税引き上げを予定

2025年2月10日
トランプ氏があらゆる国からアメリカに輸入される、鉄鋼製品とアルミニウムに対しての関税を10%から25%に引き上げを予定していると発表。

2025年3月

メキシコの関税引き上げ発動

2025年3月4日
メキシコとカナダに対して合成麻薬と不法移民対策を理由とした「国際緊急経済権限法(IEEPA)」に基づき、輸入品に対して25%の追加関税を発動。
ガソリンの高騰を抑止するため、カナダ原産のエネルギー資源に関しては10%にとどまることとなった。

USMCA対象自動車の関税延期

2025年3月5日
レビット大統領報道官より、USMCAを通じて輸入される全ての自動車に対し、1カ月、関税適用を除外すると発表がされる。
フォード・モーター、ゼネラル・モーターズ、ステランティスの米自動車大手3社からの延期要請があり、トランプ大統領がこれを受け入れたという。

USMCA対象製品の関税延期

2025年3月6日
トランプ氏「3月4日に25%の追加関税を発動したがUSMCA対象の製品に関しては4月2日まで関税を免除する」「シェインバウム大統領への敬意を表して、USMCAが適用されるあらゆるものには4月2日まで関税を課さないことで合意した」

鉄鋼、アルミの関税を引き上げ

2025年3月12日
トランプ政権はすべての国から輸入される鉄鋼製品とアルミニウムに25%の関税を発動しました。

全ての国への自動車関税を示唆

2025年3月24日
トランプ氏が輸入自動車への関税措置を近日中に発表予定と発言。

2025年4月

全ての国に相互関税導入を発表

2025年4月2日
トランプ氏が、世界各国からの輸入品に対して「国際緊急経済権限法(IEEPA)」に基づき、2025年4月5日から全ての国に一律10%の関税をかけたうえで、国・地域ごとに異なる税率をさらに上乗せすると発表。

すでに25%の関税を課している鉄鋼製品とアルミニウムに関してはさらに上乗せはしないとのことです。

なお、3月4日に既に25%の追加関税が発動されているカナダ・メキシコに関しては今回の相互関税からは除外とされている。

その他自動車や部品に関しても追加関税を4月3日と5月3日に発動するとされた。

自動車に対して追加関税発動

2025年4月3日
自動車完成品に関しては一律25%の追加関税を発動したが、USMCAの原産地規定を満たす自動車は米国製部品以外の部分のみに25%を課税。

米国以外の付加価値に対して追加関税を適用するプロセスが確立されるまで、USMCAのROO(原産地規則)を満たす自動車部品には適用されないという条件付きです。

相互関税が発動される

2025年4月5日
全ての国からの輸入品に対する10%の一律関税が発動される。国別の追加関税については後日発動との予定。


2025年4月7日
シェインバウム大統領:「(報復関税の可能性を)排除はしないが、それよりも対話を続けたい」

各国と貿易交渉を行うと発言

2025年4月9日
トランプ氏:「国地域ごとに設定した上乗せ部分の関税を90日間停止し、各国代表と交渉を行う。しかし、中国に関しては報復措置に動いたため追加関税を125%に引き上げた上で即時発効する」
ベッセント財務長官は、米国の関税措置に報復しなかった国は「報われる」としている。
なお、一部関税90日間停止措置については各国との交渉余地を与えるための猶予期間のため、既に適用されているメキシコとカナダは対象外とのことです。

2025年4月14日
トランプ氏が、メキシコやカナダから輸入する自動車・部品に対する25%の追加関税について、見直しを検討していることを明らかにした。
トランプ大統領は記者団に対し、自動車メーカーが「米国内での製造に切り替えるには、少し時間が必要だ」と説明した。

2025年5月

自動車部品への関税ガイダンス

2025年5月1日
2025年5月3日より、すべての国からの米国への自動車および自動車部に対して25%の追加関税を適用すると記載されています。
しかし、USMCAの原産地規則(ROO)を満たす自動車部品には非米国産部品の価格に対してのみ追加関税を適用するプロセスが確立されたと商務長官が発表するまで、追加関税の対象外とすることになっており、このガイダンスによると5月3日以降も当面は製品価格全体に追加関税が課されないとされている。

米国税関・国境警備局(CBP):1962年通商拡大法232条に基づく自動車部品に対する追加関税に関するガイダンス

自動車部品の追加関税が発動

2025年5月3日
自動車本体に対しては4月3日に発動されていたが、自動車部品に関しても5月3日に25%の追加関税が発動された。
なお、USMCA(米国・メキシコ・カナダ協定)の原産地規則を満たす部品については、追加関税は現時点で適用されないとされている。

米中間の関税を引き下げ

2025年5月13日
米中間での関税を互いに115%引き下げの合意、引き下げた関税のうち24%については撤廃ではなく90日間の停止。

2025年5月17日
トランプ氏が関税について「主要国以外は交渉せず」とコメント



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